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「義母を保証人にしておいてよかった!!」養育費から逃げ回る元夫。美容師の妻(40歳)が「振込復活」にみせた執念とは

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目次

昨年、国会で共同親権法案が審議されている際、同時に養育費の確保についても法改正すべきではないかという意見がありました。具体的には養育費の不払い者に対して罰則を科した方がいい、いったん国が養育費を立て替え、国が代わりに非親権者から養育費を立て替えるべきだなどですが、それもそのはず。半分以上の父親(元夫)は養育費を一度も支払ったことがないのが現実だからです。

 

統計(令和3年度全国ひとり親世帯等調査)によると母子家庭のうち、養育費を現在も受け取っているのは28%、一度でも受け取ったことがあるのは14%しかいません。一方、一度も受け取ったことがないのは57%に達しています。

 

共同親権を導入するには少しでも養育費の支払率を向上させなければなりません。養育費なしで子どもを育てるのは金銭的に厳しいでしょう。そもそも養育費を払わないのは元夫が悪いのに、泣きを見るのは元妻だなんて不条理です。養育費をあきらめず、元夫に払わせるには、どうしたら良いのでしょうか?

 

◀◀関連記事『「俺はいつも本気」女遊びをやめない夫(44歳)と離婚。たった2年で養育費ストップ。「給料の差し押さえなんてまだ甘い!」サレ妻の覚悟とは?』を読む

 

<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名。年齢は現在)>

夫:山崎拓弥(44歳)→美容師(年収500万円)
妻:山崎由羅(40歳)→美容師(年収350万円) ☆今回の相談者
子:山崎綺羅(6歳)
夫の母:山崎節子(72歳)→年金生活

 

※ 本人が特定されないように実例から大幅に変更しています。また夫婦や子どもの年齢、離婚の原因、養育費の金額、元夫の転職や独立の経緯は各々のケースで異なるのであくまで参考程度に考えてください。

 

【行政書士がみた、夫婦問題と危機管理 #10】

 

 

 

ついに離婚が成立。ところが2年後に思わぬ事態が…

今回の相談者・山崎由羅さん(40歳、美容師)は度重なる夫(44歳)の女遊びに堪忍袋の緒が切れ、ついに離婚を決断。毎月4万円の養育費を払うこと、夫の口座から由羅さんの口座に自動振替をすること、夫の母を養育費の連帯保証人にすること、これらの内容を公正証書に残すことで決着。正式に離婚が成立したのです。

 

そして離婚から2年目。由羅さんは「養育費の振込が止まりました。どうすればいいですか?」と再度、筆者の事務所へ相談しに来たのです。

 

 

振込元の口座は元夫の名義です。そのため、元夫が金融機関の窓口で「自動振替を解約したい」と言えば、あっさりと解約できてしまうのです。なぜなら、窓口の担当者は「振り替えるお金は養育費で、そのことは公正証書に残している」なんて知らないからです。筆者は「前の旦那さんが約束を破ったのは明らかです」と説明しました。由羅さんは「どうすれば良いのでしょうか?」と尋ねます。

 

そこで筆者は「離婚時に公正証書を作成したおかげで元夫の給料を差し押さえることができますよ」とアドバイス。これは裁判所を通して行いますが、口座振替と違い、「解約」というシステムはありません。元夫が裁判所に「やめてほしい」と頼んでも、養育費の未払分を清算しない限り、給料の差押は止まりません。そこで由羅さんは地方裁判所に債権差押命令の申立を行ったのですが、思わぬ事態が発生しました。

 

裁判所は給料を差し押さえる前に、元夫の勤務先に対して在籍の有無等を確認します。元夫が勤めていると思われていた美容院は裁判所に対して「在籍していない」と回答したのです。由羅さんは「まさか元の主人とグルになって口裏を合わせているのかも」と疑い、美容系フリーペーパーから予約しようとしたところ、在籍している美容師のなかに元夫の名前はありませんでした。

 

元夫が退職したのは確かでした。元夫がその美容院に勤め、給料をもらっていなければ、差押によって養育費を回収することは難しいです。由羅さんは「もう養育費をあきらめるしかないのでしょうか?」と弱気な声でいいます。

 

そんな由羅さんの窮地を救ったのは2020年の法改正(民事執行法に新設された第三者からの情報取得手続)。裁判所が元夫の住んでいる地方自治体に対して、元夫の勤務先を開示するように命令できるようになりました。筆者は「この手続を利用すれば、自力で元夫の次の勤務先を探し当てる必要はありませんよ」と助言。

 

そこで由羅さんは地方裁判所へ「第三者からの情報取得手続」を申し立てました。そうすると元夫が美容師の仕事から足を洗い、アパレル会社に転職。アパレルショップで働いていることが明らかになったのです。そして再度、由羅さんは地方裁判所に債権差押命令の申立を行い、今度はアパレル会社と元夫に対して差押命令を出してくれたのです。こうして元夫の給料から当月の養育費、そして過去の未払養育費が天引きされ、由羅さんの口座に振り込まれてきたのです。

 

これにて一件落着。毎月、自動的に養育費を確保できそうに思えたのですが、そうは問屋が卸しませんでした。由羅さんは「たった3年です」とため息をつきます。給料の差押開始から3年で会社からの振込が止まってしまったのです。それは元夫がアパレル会社を退職した証でした。由羅さんは「また転職したのかも」と思い、もう一度、同じ申立をしたのですが、今度は元夫の勤務先を特定することができませんでした。

 

由羅さんは途方に暮れていたのですが、またまたスマホで元夫の名前を検索したところ、ある動画が表示されたのです。それは元夫が夏物のシャツやパンツ、帽子などを紹介する内容でした。どうやら元夫はバイヤーとしての実績を評価され、アパレル会社を独立。引き続き、アパレル会社でバイヤーとして活躍するけれど、今度は社外の人間として携わるようになったようなのです。

 

養育費、差し押さえづらいのは 役員報酬?個人事業主?

ところで元夫が独立時、自分の会社を立ち上げたのなら、会社から役員報酬を受け取っています。筆者は「役員報酬は会社員の給料と同じように差し押さえることが可能ですよ」と慰めました。具体的には会社が元夫に役員報酬を支払う前に、由羅さんの口座に養育費の分を振り込んでくれます。

 

そこで一般財団法人の民事法務協会が提供する登記情報提供サービスで元夫の名前を検索したところ、残念ながら、会社名(有限会社、株式会社)は表示されませんでした。

 

つまり、元夫の身分は会社役員ではなく個人事業主だったのです。個人事業主の場合、商売と個人のお金に線引きが曖昧です。給料や役員報酬は存在しないので、前もって差し押さえることは難しいです。ここまで進めてみると、もはや万策尽きたように思われます。由羅さんは「もはや手立てはないんでしょうか?」と肩を落とします。

 

ここで効いてきたのは離婚時、元夫の母親を連帯保証人にしておいたこと。元夫と由羅さんはすでにLINEの友達登録を解除しているし、知っている元夫のメールは携帯電話のアドレス。携帯会社を乗り換えたらアドレスは変更されているでしょう。一方、離婚したからといって元妻以外の人間関係を考えると携帯番号を変更するのは面倒です。そのため、ショートメール(SMSメール)なら届くのではないか。そんな一縷の望みをかけて由羅さんは「このまま逃げ回るなら、義母さんに養育費を請求するよ」と送ったのです。

 

そうすると無事、元夫の携帯にメッセージが届いたようです。しかし、また意味不明な持論を展開。「払えたら払うって言っただろ?今は余裕がなくて厳しいんだ」と。そのため、由羅さんは「あなたはどうだろうと、毎月、子どもにお金がかかることに変わりはないの。いい大人なんだから言い訳をしないで!」と。

 

しばらく返事がなかったので「このままフェイドアウトするなら、義母さんの財産を差し押さえるから。よろしく!」と追撃したのです。そうすると元夫はかなり焦った感じで「お前、馬鹿か!そんなことしたら母ちゃんが生活できなくなるだろ」と返してきたのです。義母とは元夫を女手一つで育て上げた人物。特別な資格もないので、パートの仕事を掛け持ちした苦労人。おそらく国民年金しか受給しておらず、家賃が毎月2万円の県営住宅に暮らしています。

 

元夫が「わかった、払えばいいんだろ?!とにかく母ちゃんはやめてくれ!」と懇願するので、由羅さんは「過去の分はとりあえずいいから、その月の分はちゃんと払って」と念押しすると、ようやくその月の養育費は振り込まれてきたのです。

 

ここまで由羅さんが何回、元夫に裏切られても、途中であきらめず、何度も養育費の回収に漕ぎつける様子を紹介してきました。上記の統計によると母子家庭のうち、養育費を受け取っていない理由として相手に支払う意思がないと思った(15%)、相手に支払う能力がないと思った(14%)以上に相手と関わりたくない(34%)が最多です。

 

一度、支払が止まった養育費を復活させるには元夫との間で何らかの接点が生まれます。もちろん、結婚生活のなかで悩み、苦しみ、傷つけられた相手です。一切、関わりたくないとう気持ちも分かります。しかし、大人の事情で子どもに貧しい思いをさせるのはあまりにも不憫です。子どもを守るために奮起し、過去のトラウマと戦いつつも、最後まで戦い抜いて欲しいですし、強い母親の姿を子どもに見せることを期待します。

 

 


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この記事のライター

OTONA SALONE|オトナサローネ

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