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専業主婦の妻(40歳)は夏休みに子連れ帰省し、そのまま離婚したい!有利に別れるための4つの「離婚活動」とは?【行政書士が解説】

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目次

今回の相談者・豊田美晴さん(40歳、仮名)は結婚9年目。夫婦の間には7歳の娘さんがいるのですが、結婚生活は残念ながら、順風満帆とはいきませんでした。例えば、夫は機嫌が悪いときは無視を決め込むのですが、美晴さんが「なんで怒っているの?」と尋ねると「別に怒っていない!お前がこうさせるんだ!!お前の言い方が悪いだろ?!」逆ギレ。

 

◀関連記事『「俺は1円も払わないぞ!」モラハラ夫(44歳)は娘のピアノの楽譜を燃えるごみで捨てた。秘かに進む妻の「離活」。【行政書士が解説】』では、美晴さんが離婚を決意するまでについてと、ゆくゆく親権をとる際の決定打になった夫の行為についてお伝えしています。

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<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名。年齢は現在)>

夫:豊田龍平(44歳)→会社員(年収800万円)
妻:豊田美晴(40歳)→専業主婦 ☆今回の相談者
子:豊田美園(7歳)→小学生
妻の父:芦田隆夫(68歳)→年金生活
妻の母:芦田美和(64歳)→年金生活

【行政書士がみた、夫婦問題と危機管理 #12 離婚編】

 

 

「家庭内いじめ」の標的は、妻だけでなく娘にも!

最近では不機嫌の矛先が娘さんに向かうように。娘さんはピアノを習っているのですが、夫は突然、「レッスン料が高すぎる!」と難癖をつけてきたのです。しかもピアノの楽譜を「燃えるゴミ」に捨てる暴挙を起こし、娘さんを号泣させたそう。

 

そして先月、酒に飲まれた状態で帰宅し、家財を投げつけるという暴力まで起こし、同居を続けることは不可能な状態に。ついに美晴さんは離婚を決意。「いつもの帰省」という体で実家に帰省。そこで離婚に向けた作戦会議…いわゆる「離活(離婚活動)」をすることにしたのです。

 

 

まずは今後の子どもとの暮らしに備えた準備を

では、具体的に何をすれば良いのでしょうか?まず第一の「離活」ですが、両親からの協力を取り付けることです。

もともと身体が弱い美晴さんは夫の存在ありきで娘さんを育てていました。例えば、夫が契約者の賃貸住宅に住み、家賃はすべて夫が負担。生活費も夫に頼り切りでした。また美晴さんは自動車の免許を持っていないので娘さんを病院に連れて行ったり、学校を早退するときに迎えに行ったりする場合、夫に送迎を任せていました。そして美晴さんの体調が悪いときは料理や掃除、洗濯などの家事はもちろん、娘さんの相手をするのも夫だったそうです。

 

美晴さんは夫のモラハラを挙げた上で「離婚して欲しい」と、これから切り出す予定です。筆者が「最終的に旦那さんが離婚に承諾したとしても今まで通り、家事や育児を手伝うため、奥さんの実家へ定期的にやってくるでしょうか?」と確認すると、美晴さんは首を横に振ります。

「元夫」には、今後の育児において戦力となってもらうことは期待できません。そのため、今まで夫がやっていたことを両親に頼まなければなりません。すでに齢70を超えていますが、最愛の娘からの頼みです。快く承諾してくれたそうです。

 

 

第二の「離活」ですが、親権獲得への足固めをすることです。夫婦の間に未成年の子どもがいる場合、離婚するときにどちらが子どもを引き取るのか…親権を決めなければなりません(民法819条)。美晴さんが離婚を決意したのは娘さんを守るためです。子どもの私物を無断で廃棄したり、暴言で恐怖心を与えたり、ものに八つ当たりをするような夫に任せておけません。最悪の場合、命の危険にさらされる恐れもあります。

美晴さんは「娘の親権を持つつもりで実家に戻ってきました」と宣言します。そこで美晴さんは前もって「パパとママは離婚するの。これからはママと暮らすのよ」と説明しました。

筆者は「まだ7歳の娘さんに父親、母親のどちらを選ぶのかを決めさせるのは酷ですが…」と前置きしましたが、いざ美晴さんが娘さんの気持ちを確かめたところ、迷わず、美晴さんを選んだそうです。同居時、娘さんが夫から受けた仕打ちが決め手になりました。

 

ところで公立の場合、住民票がある学区の小学校に通わなければなりません。美晴さんは「二学期から娘をこっちの小学校に通わせたいんです」と言います。もし、娘さんと実家近くの小学校に通わせるのなら、まず自宅から実家へ住民票を移す必要があります。

その上で前の小学校で在学証明書、教科用図書給与証明書を発行してもらいます。そして新しい住民票を添えて次の小学校の教育委員会に提出すると転入学通知書を発行してくれます。美晴さんはここまでの手続を夏休み中に終わらせたので、娘さんは二学期から実家近くの小学校へ転校することができます。

 

証拠集めと手続き準備が「離活」の仕上げ

そして第三の「離活」ですが、離婚に有利な証拠を集めておくことです。結婚期間中に築いた財産は夫名義でも妻名義でも、夫婦の共有です(民法762条)専業主婦で収入がない美晴さんに半分の権利があるのは、夫は美晴さんが家事や育児をするおかげで収入を得て、財産を築くことができたからです。

そして夫婦が離婚する場合、共有財産を分け合わなければなりません(民法768条)。美晴さんが夫の財産を分けるように求めることができるのは内助の功が認められるからです。

 

美晴さんがいくらを請求できるのかは、夫がどの程度の財産を持っているのかによります。そこで筆者は別居する前のタイミングで「旦那さんの通帳や証書、インターネットバンキングなど。とにかく手当たり次第、写真に撮ってください」と伝えました。

その結果、国内の預貯金が217万円、日本国債が98万円、投資信託が255万円、外貨預金36万円を持っていることが明らかになりました。もちろん、これは夫の全財産かどうかは分かりません。また離婚財産分与の対象は結婚期間の分だけです。このなかに独身時代の分が含まれているかどうかは分かりませんが、いざ請求するときの目安にはなるでしょう。何も分からないたまま、適当に数字を挙げるよりは遥かにましです。

 

 

最後に第四の「離活」ですが、離婚調停の準備をしておくことです。正式に離婚するには夫の同意が必要。筆者は「直接、旦那さんを説得できそうですか?」と質問すると、美晴さんは「無理です」と即答します。

「ああ言えばこう言う」という感じで弁が立つのは夫の方。しかも虫の居所が悪くなると美晴さんを脅したり、騙したり、いじめたりする意地悪な性格。ただでさえ美晴さんは脱毛症になるほど大きなストレスを抱えている状態。「お前の言う通りにはさせないぞ!」という感じで離婚を断固拒否するのは目に見えています。そう考えると美晴さんが自力で夫を説得するのは無理です。

 

そこで筆者は「このような場合、家庭裁判所に離婚調停を申し立てる方法がありますよ」と提案。調停とは裁判所内で調停委員を通して話し合いをする制度です。美晴さんと夫が直接、顔を合わせる機会はないので安心です。

 

 

しかし、家庭裁判所で離婚調停を行う際、相手の最寄の裁判所を利用しなければなりません(家事事件手続法の第4条)。今回の場合、美晴さんの最寄りは徳島、夫は東京ですが、東京の家庭裁判所まで新幹線等で6時間近く、交通費は約2万円かかるので現実的ではありません。

しかし、今年3月から調停の完全オンライン化が開始。これは審理にリモートで参加できるという意味です。調停を行うのが東京の家庭裁判所であることは変わりませんが、美晴さんは徳島にいながら参加できるのです。美晴さんは夏休み中に調停の申立書を作成するつもりだそうです。

 

ここまで美晴さんが夏休みの帰省先で離活に励む様子を紹介してきましたが、美晴さんがここまで慎重になるのは夫のことを全く信用していないからです。離婚の話をしたら何をされるかわからない…そんなふうに一挙手一投足を疑うので、離婚に向けて入念な準備が必要になるのですが、信頼関係を失った夫婦が離婚すると考えれば、当然といえば当然かもしれません。

 

 

「離婚しよう」「そうしよう」と二つ返事で決まれば良いですが、人間が感情の生き物です。離婚する気があっても「離婚したくない!」と逆のことを口にすることもあり、なかなか一筋縄にはいきません。そのことも踏まえて十二分に準備をすることが大事ですが、夏休みというタイミングはちょうどいい頃合いでしょう。

 

 

<出典>

2023年の厚生労働省、人口動態統計
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei23/dl/03_h1.pdf

厚生労働省の2020年、「離婚に関する統計の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/rikon22/dl/toukei.pdf

2023年、厚生労働省の人口動態統計(年次別にみた同居期間別離婚件数及び百分率並びに平均同居期間)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450011&tstat=000001028897&cycle=7&year=20230&month=0&tclass1=000001053058&tclass2=000001053061&tclass3=000001053070&tclass4val=0

 


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この記事のライター

OTONA SALONE|オトナサローネ

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