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40代の婚活は、いろいろな意味で紆余曲折がある。OTONA SALONE編集長アサミ・47歳、人生初の婚活をスタートさせて約3年。
婚活パーティや婚活アプリ、知人の紹介なども経験し、知人のお誘いで行ったレセプションで出会った男性とお付き合いがスタート。なんと9年半ぶりの恋人! しかし、交際2カ月半で彼にシリアスな病気が発覚して……。これは40代独女の「実名 顔出し」で書いている、リアル婚活ドキュメントである。
交際が始まってからはほぼ毎日連絡、毎週デートだったジェントル(49歳・アーティスト・バツイチ・別居中の子供アリ)さんとアサミ。40代でこんなラブラブな関係の恋人ができるなんて夢みたいだと思った。
けれど、様子が変わったのは交際2カ月の頃。鎌倉ドライブデートの帰りから急によそよそしくなったジェントルさん。それまでマメだった彼から連絡が来ることがパタリとなくなった。
何か失望させてしまったのだろうか?
また短期間の交際でフラれてしまうのだろうか?
過去の交際のほとんどが短期間でフラれるパターンだった。そのトラウマからなのか、ネガティブな発想しか出てこない。しかし彼からの連絡が遠のいたのは、予想外の理由だった。
ジェントルさんから「健康診断でシリアスな結果が出た」と告げられたのだ。
先のことを考えにくい状況で、私を振り回すわけにはいかないと……。健康状態の不安があるにもかかわらず、私を気遣ってくれる。やさしい。
アサミ「お仕事、お忙しい時期ですものね。そばにいて何かお力になれないかな……なんて思って。でも大したこと出来ないんですけど。声だけでも聞きたいなって思ったりもします」
やさしい彼だからこそ、少しでも支えになりたい一心だった。
ジェントル「アサミさん、ありがたく思います。実はあまりよくない病状です。いまはさほど不調はないのですが、そんな兆候もこれから出てくると言われています」
一枚の画像が送られてきた。それは、精密検査の結果の画像。
続いて、その結果の解説をする文章が届いた。確かにそれは楽観視できるようなものではないものだった。彼の病気は──命にも係わる可能性だってある。万が一のことがないわけではない。
ジェントル「あまり考えないようにはしていますが……」
余命数カ月と言われている病気ではない。
けれど、いつ何があるかはわからない。
精密検査でよくない結果を受け取ったら……人はどう思うか? それを考えながらメッセージを送った。
アサミ「精密検査の結果を送ってくださってありがとうございます。健康面が不安なときこそ、私はそばにいたいなと思ったんです」
私は以前に自分自身が、健康診断でE判定をもらったときのことを思い出していた。
約10年前、私は健康診断のある項目でE判定だった。もちろん再検査に行った。その結果が、自宅に手紙で届いた。
結果を知らせる詳細を見たときに思ったことは、なんで自分が? どうして……⁉ だった。
子供のころから健康優良児で、小学校6年間で休んだのはたった3日、中学校はたった1日。高校は皆勤賞。社会人になってからも大きな病気はなく、健康には自信があったほうだった。
ネットで調べるほどに不安は募る。
心配をかけたくなくて家族には連絡できなかった。
友達にも同僚にも、その日には言いにくかった。
言うまでもなく、当時は好きな人も恋人もいない。
たった一人の部屋。淡々と病状を伝える診断結果と向き合う。
不安で不安でたまらなくて、まったく眠ることもできず、ひと晩じゅう涙を流していた。
当時の自分が感じた、一人でいることの孤独と不安を思い出していた。
しばらくの間、眠れない日々が続いた。周囲のほとんどの人には気づかれないよう、淡々と仕事をしていたけれど。
あぁ、あのときの私は心から誰かにそばにいてほしかった。だから、彼も……。
アサミ「実は私も、数年前に検査である病気が見つかったことがあります。そのとき家に一人でいることが不安で不安で仕方なかったんです。そばに誰かいて欲しいと思ったんです」
少しでも彼の病気を理解したいし、孤独と不安を和らげたいと思った。
アサミ「だからジェントルさんのそばにいたいなって……。ごめんなさい、一方的ですよね」
自分のことをオーバーラップさせながら、精一杯、自分の気持ちを伝えた。
そのメッセージに対して、すぐに返信は来なかった。さっきまではポンポンと届いていたのに。
もしかして何か発作が出て苦しんでいるんじゃないかしら?
返信がすぐ来ないことなんて今までだってあったけれど、心配でほかのことに手がつかない。居ても立っても居られないと感じたころだった。
ジェントル「不安もありますが、それ以上にアサミさんに迷惑をかけることはできないと思っています。どうかわかってください。すみません」
彼は一貫して、私に迷惑をかけたくない、ということを伝えてきた。
アサミ「はい、わかりました。迷惑だなんて思ってません。ジェントルさんは私にとって大切な人です。支えたいと思っています。でも、今夜はごめんなさい」
本当に迷惑だなんて思わなかった。それよりも、一人で病気と向き合っている彼の不安な気持ちを考えていた。何もできないけれど、そばにいたい……。
ただ、その次に彼から届いたメッセージで、少しその気持ちが揺らいだ。
ジェントル「すみません。今は本当に無理なんです」
え……⁉ “無理”という言葉選びに、ドキッとした。
ジェントル「自分に何かがあって、離れて住んでいる子供に会えなくなると思うと恐怖です。今は健康を取り戻すことに専念させてください。お願いします」
なんとなく、私を拒む気持ちが垣間見えた。そうだ……彼には子供がいるんだ。そして元奥さんだっている。私と同じ一人暮らしの独身だけれど、そこは決定的に違う。
彼が一番大切にしている人は子供。何かがあったとき真っ先に伝えるのは子供であり、その子供と一緒に暮らしている元奥さん。おつきあいはしているけれど私じゃない。それは当然のこと。
ただ、私に頼るつもりはないという強い意志に一抹の寂しさを感じずにはいられなかった。
その後も、彼の体調を心配する日々が続いた。
最後に連絡を取ったときから10日ほど経ったころ、どうしても彼のことが気になってメッセージを送った。
アサミ「こんばんは。体調はいかがでしょうか? あれから医学書を読みました。病気のこと、今後考えられる症状のこと、少しは勉強したつもりです。だからこそ心配しています」
このメッセージに返信は来なくてもいいと思った。ただ、伝えられればいいと思ったから。
そのときだった。
ジェントル「今から少しお話できますか?」
彼からのメッセージ。やっと話したいと言ってくれた。
イヤな予感をかかえながらもすぐに「はい、大丈夫です」と送った。ジェントルさんと会わなくなって約1カ月。彼は何を話してくるのだろうか━━⁉
「出版イベントとかやらないんですか?」 数人のかたに聞かれたことがありましたが、しないままに書籍『40代ご無沙汰女子の、ざんねんな婚活』の発売から半年以上が経っておりました。
し・か・も! 映画化された『美人が婚活してみたら』の漫画家・とあるアラ子さんとの対談企画なのです!
日付はお盆の真っ最中、2019年8月15日(木)。テーマは「婚活の理想と現実」。夏の夜、オトナの婚活と恋愛トークに花を咲かせましょう。ぜひぜひ遊びにきてください!!
詳しくはコチラ!
【ジェントルさんは何を話してくるの⁉ 7月31日(水)17時をお楽しみに!】
【前回はコチラ】
#154 なんで⁉ 彼から2週間「連絡がない」問題【40代編集長の婚活記】
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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