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一大商業地の銀座や、大型ターミナルの東京駅が生活圏に収まる中央区築地。特に東京駅八重洲口側では複数の大規模開発が予定されていることもあり、昨今では住む街として改めて熱い視線が注がれつつある。そんな好立地に立っているのが、今回紹介する「ハウスコート築地」だ。
日ごろの管理の成果で、大規模修繕がスムーズに進行
「ハウスコート築地」では、竣工から12年目を迎えた2017年、竣工当初の予定に沿って大規模修繕工事を実施した。
「工事に先立ち、3名の入居者有志に大規模修繕委員として理事会に加わっていただきました。おもに、工事に関する協議や見積もりのチェックなどで協力していただきましたが、委員のなかには建設関係に詳しい方もいらっしゃったので、心強かったですね」(平久江理事長、以下同)
日ごろの定期メンテナンスがしっかりしていたこともあって、当初予定されていた工事を実施しないで済む箇所もあったという。
「共用廊下の床シートや側溝部分などは、ほとんど劣化していませんでした。半面、外壁のタイルは、修繕を要する箇所が想定より多かった。そこで、作業時に足場が必要な工事を優先したのです。現時点で支障がなく、足場なしで作業できる工事を見送ることで、支出のバランスをとりました。結果、当初の想定予算にほぼ収まりました」
【画像1】(左)外壁のタイルは、浮き上がってしまっていた箇所だけ大規模修繕時に交換(右)共用廊下には長尺の樹脂製シートが使われているが、劣化が少なかったため継続して使用中(写真撮影/柴田ひろあき)
周辺地域との連携によるコミュニティ形成を模索中一方、コミュニティ形成については、これまで実施してきたのが、年に一度の防災訓練と、花火大会時の屋上開放程度で、今後の注力課題だという。
「築地一帯は祭りなどのイベントが盛んで、地域の結びつきが強い。マンション内はもちろんですが、周辺との交流活性化にも取り組んでいきたいですね。特に近隣には公園や児童館などがあって、多くの子育て層が利用しています。マンション内にも子育てファミリーが多いので、何かきっかけをつくれないかと模索しているところです」
コミュニティ形成の大切さについて、平久江氏は次のように続ける。
「エレベーターで顔を合わせた際にあいさつを交わす程度でも、安心感の醸成やみんなで気持ちよく暮らすための配慮につながると思います。また、私は今回初めて理事を経験していますが、マンションや管理について関心や理解が深まりました。できるだけ早い段階で全員が理事を経験し、入居者が自発的に安全で快適な住環境づくりに乗り出すようになるといいですね」
【画像2】マンション外周に配置された植栽。毎年、6月と10月に造園会社が入って手入れしている(写真撮影/柴田ひろあき)
建築・住宅計画等を専門とする東京大学教授 大月敏雄氏が語る建築家の視点【画像3】マンションの南東50mほどの場所には「築地川公園」があり、住民は日常使いできる。近くには中央区の子育て支援施設「築地児童館」もあるため、近隣の子育て世帯と交流しやすい環境が整っている(写真撮影/柴田ひろあき)
【画像4】7名の理事と監事1名の計8名が通常の体制で、任期は1年間。現在のところ立候補者で構成している。大規模修繕時には、3名の大規模修繕委員を別途選出し、協議や意思決定の場に参加してもらった
※この記事は『都心に住む』2017年12月号(10月26日発売)からの提供記事です
※管理組合のルールや方針は変更される場合があります
この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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