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保育園で疲れ切った子どもを連れてスーパーなどに立ち寄ると、買い物中に寝てしまうこともあります。園から持ち帰った大荷物と眠ってしまった子どもを抱えていると、本当に手いっぱいで大変ですよね。今回は、そんな状況に加えて雨まで降りだしたある夕方、シングルファザーの40代男性がスーパーで体験した心温まるエピソードを紹介します。
(※写真はイメージです)
まだ赤ちゃんだった息子を連れて、夕方のスーパーで買い物をしていた時の話です。
事情があって、子どもが誕生してすぐ私はシングルファザーとして息子を育てることになりました。子どもは生まれて間もない時期から保育園に預けて働き、毎日の保育園の帰りにスーパーに立ち寄ることが日課でした。
その日は食料品を買い過ぎてしまい、荷物が多くなってしまいました。さらに保育園で疲れた息子は買い物中に眠ってしまい……。一旦、息子を車に乗せてから荷物を運ばなくてはいけないなぁ思いながらとスーパーを出ると、なんと土砂降りの雨!
傘を準備しておらず、わぁどうしよう……と立ち往生していると、通りがかった年配のご夫婦から「車はどこに止めてるんだ?」と話しかけられました。
(※写真はイメージです)
「あ、すぐそこなので……、大丈夫です。ありがとうございます」と言うと、そのご主人は「あの黒い車か?」「車の鍵を貸しなさい。動かずここで待ってて」というのです。いま会ったばかりの他人に車の鍵を渡すなんて当然、抵抗があります。戸惑いましたが奥様も一緒にいましたしなんとなく悪い人には思えず、私は手に持っていた鍵を渡しました。その方はひょいっと鍵を取ると土砂降りの中走っていき、私の車をスムーズにスーパーの入り口まで移動させてくれたのです。
奥様は「早く赤ちゃんを乗せてやって」と言いながら自分のジャケットを私と息子に被せてくれ、さらに私の買った荷物を重いのに車まで運んで下さいました。
風も強く、雨でご主人も奥様も服がびしょびしょ。申し訳なく思いながらも、子育て中に親族以外にこんなに優しくされたのは初めてで、思わず涙目になってしまいました。
(※写真はイメージです)
何度も何度も「ありがとうございます」と御礼を言うと、ご夫婦は「いいから早く行きなさい、気を付けて!」と手を振ってくれました。
今では小学生になった息子を連れて、変わらずそのスーパーに行っていますが、あれ以来そのご夫婦には会えていません。孤軍奮闘の子育てで要領も悪く、いつもどこか気を張っていたあの頃、偶然にお会いしたお二人の優しさに本当に救われました。
そして、私もその優しさを違う誰かに繋いでいきたいと思っています。大きくなった息子を見てもらいたいものです……。いつかまた会えますように。
====================※本記事は、編集部に寄せられた実際のエピソードを元に再構成しています。
この記事のライター
マイナビウーマン子育て
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