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クルマ好きの息子に、本物のカーレースを見せてあげたい——。そんな想いがついに実現し、世界最高峰の電気自動車レース【フォーミュラE】を親子で観戦することに。「エンジン音のない電気自動車だから、迫力不足では?」と思っていたのですが、まったくの誤算でした。リアルな迫力に圧倒された【フォーミュラE】の魅力を徹底レポートします!
2025年5月17日・18日、東京ビッグサイト周辺の公道を舞台に「ABB FIA フォーミュラE 世界選手権 TOKYO E-Prix」が開催されました。
【フォーミュラE】は、電気で走るフォーミュラカーによる世界最高峰の大会です。
F1でもおなじみのあの低重心フォーミュラカーの“電動モデル”が疾走し、ハイスピードなレースが展開されます。
写真提供/フォーミュラE
日本のレース競技は通常、専用のサーキットで開催されることが多いのですが、電動モデルを使用する【フォーミュラE】は、エンジンの爆音も排ガスも出ないため、公道を活用した市街地コースで行われるのが特徴です。マシンからの直接的なCO2排出量はゼロのため、地球にやさしいモータースポーツとして注目を集めています。
東京ビッグサイト周辺の公道を封鎖し、約2.5キロの特設サーキットで開催された今回の【フォーミュラE】。都市のど真ん中で繰り広げられるレース2日目、我が家は予選レースからその熱狂を体感しました。
予選が始まってまず驚かされたのは、エンジン音の代わりに響き渡る電動モーター特有の「キーン」という高周波音です。
その独特のサウンドが、最速320キロのスピード感をさらに際立たせ、まるでSF映画のクライマックスのような疾走感を演出。
さらにエンジン音のない【フォーミュラE】ならではの静寂の中、マシンが風をきる「シュッ!」という鋭い音、タイヤが路面をとらえる「キュッ!」という摩擦音が鮮烈に響き渡り、まるで未来へ駆け抜けていくような感覚に包まれるんです。
そんな非日常の光景を目の当たりにして、「ドキドキするね!」と声を弾ませる息子。想定外の迫力に胸が高鳴り、その熱気にすっかり引き込まれている様子でした。
当日は東京ビッグサイトにて同時開催されるイベントにも参加予定だったので、【フォーミュラE】は予選だけ観戦するつもりだった我が家。しかし、予選の興奮にすっかりハマり、本選も急遽観戦することにしました。
白煙を巻き上げる「バーンアウト」で会場を沸かせたあと、スタートラインに並ぶマシンたち。
日産ユーザーの我が家が応援するのは、やはり日産フォーミュラEチームの「オリバー・ローランド」です。ローランドは最前列、いわゆるポールポジションからスタートし、ついに決勝の幕が上がりました。
【フォーミュラE】のレースは、単なるスピード競争ではなく、限られた電力をどう戦略的に活用するかが勝敗を左右する、まさに頭脳戦。
そのため、ドライバーとチームは、エネルギー管理の駆け引きを常に計算しながら走行する必要があります。
たとえば、レース中にドライバーが指定されたアクティベーションゾーンを通過すると、一時的にパワーを増強して加速力を上げられる「アタックモード」が発動されます。そのためには、通常のレーシングラインから外れたゾーンを通過する必要があり、一時的にタイムロスが発生。しかし、その後に追い越しチャンスを狙うことで、レース展開を有利に進めることが可能になるんです。
写真提供/フォーミュラE
上手に「アタックモード」を使えば、追い越しのチャンスを生み出せる可能性がありますが、発動のタイミングを誤ると、終盤のエネルギー不足につながるリスクも。ライバルの動きを読みつつ、適切な瞬間に仕掛けることが求められます。
注目のローランドは、一時順位を落としながらも、レース終盤にアタックモードを発動。
「ローランド、このままだと厳しいのでは⁉」と観客をハラハラさせる展開が続くなか、ついに決定的な瞬間が……!
先頭を走るポルシェのパスカル・ヴェアラインを華麗に抜き去り、トップへと躍り出るローランド。そのままトップを守り抜き、堂々の勝利を飾りました。その圧巻の走りに、息子も「ローランド、強すぎるって!」と大興奮でした。
表彰式では、日産の母国勝利を讃えるように「君が代」が響き渡り……
その旋律が会場全体を包み込む様子は、日本人として、また日産ユーザーとして、胸にジーンとくるものがありました。
今回の【フォーミュラE】に合わせ、東京ビッグサイトでは没入型ファン・フェスティバル「ファンビレッジ」が開催されました。 観戦チケットがなくても無料で楽しめるこのエリアには、レースの興奮をさらに盛り上げる体験型アクティビティが満載。子どもから大人まで、誰もが気軽に【フォーミュラE】の世界観を楽しめる場となっていました。
会場では、電動フォーミュラマシンを間近でじっくり鑑賞できるのがうれしいポイント
ファンビレッジの事前リサーチをしていて、最も気になっていたのが、レーシングゲーム好きの息子が夢中になりそうな「ゲームアリーナ」。
ここでは、実際の【フォーミュラE】コースを忠実に再現したバーチャルサーキットが体験できるんです。しかし、当日は90分待ちの長蛇の列。残念ながら参加を断念することにしました。
電動レーシングカートでコースを駆け抜ける「E-Kart」も大盛況でしたが、せっかくの機会なので、待ち時間を覚悟して列に並ぶことに。
電動ゴーカートならではの、静かでスムーズな走りが魅力
【フォーミュラE】の熱戦を生で目撃した直後で、息子の運転欲は最高潮に。ゴーカートのハンドルを握った瞬間、目を輝かせ、夢中で走る姿に「並んで正解だったなぁ」と心から嬉しくなりました。
ドライバーにとって、JAF(一般社団法人 日本自動車連盟)といえば、クルマのトラブル時に頼れる“ロードサービス”の存在でおなじみですよね。でも実は、日本で唯一のFIA(国際自動車連盟)公認団体として、モータースポーツの普及と発展にも尽力しているんです。
今回もファンビレッジにブースを出展し、その魅力を広めていました。
JAFブースの中でも息子のお気に入りは、1960年に世界的ブームを巻き起こし、日本では「走るプラモデル」として親しまれたこちらの「スロットカーレース」。
参加者はVRゴーグルを装着すれば、スロットカー視点の迫力ある映像が楽しめる(VR体験は13歳以上)
電気仕掛けのミニカーを走らせるレース体験で、コースには細い溝(スロット)が設けられ、その両側に敷かれた電線から電気を受けて走るしくみになっています。青いボタンでクルマのスピードをコントロールし、レーンが交差するポイントで赤いボタンを押すと車線変更が可能に。手元の操作ひとつで、レース展開が大きく変わります。
レースは4人1組で行われ、息子の参加した回は大人も混じる白熱のバトルに。これは厳しい戦いになるかと思いきや……
なんと息子が見事な走りで優勝! 普段からレーシングゲームで鍛えている腕前が発揮されたのかも⁉ 「途中で車線変更したから勝てたのかなぁ」と誇らしげに満面の笑みを浮かべていました。こんなに楽しんでくれるなら、もうすぐ迎える息子の誕生日プレゼントにぴったりかも。お手頃なものが見つかれば、ぜひ贈りたいと思っています。
同じくJAFブースでは、クイズに正解すると、本物のモータースポーツライセンスにそっくりのジュニアライセンスが発行されるというコーナーも。
クイズでは思わぬ凡ミスもあった息子でしたが、無事にライセンスをゲット!
つい先ほど実際に目にした憧れのレーサー気分を味わえる、まさに特別な体験となりました。
JAFブース内には、各モータースポーツ参戦ドライバーのサイン入りヘルメットの展示も。
トップドライバーの直筆サインが刻まれた貴重なコレクションからは、レースの激闘の余韻が伝わってくるようでした。
エンジンの爆音や排ガスのない環境でスリリングなレースを楽しめる【フォーミュラE】は、まさに子どもにとって理想的なカーレースデビューの場です。
大きな音が苦手な筆者と息子も、心から楽しむことができました。迫力ある走りを間近で体感しながら、モータースポーツの魅力に触れられる絶好の機会ですよね。
【フォーミュラE】はレース戦略やエネルギーマネジメントなど、ドライバーとチームが一丸となって挑む頭脳戦。その駆け引きを楽しみながら、多くの学びを得られるのも魅力の一つです。
レース観戦の興奮が冷めやらぬ数日後、息子がレゴでフォーミュラマシンを制作。レースの興奮は、息子の記憶に鮮明に刻まれたよう
【フォーミュラE】は、2024年に東京で初開催され話題に。そして私たちが観戦した2025年のシーズン11も、2日間にわたる白熱のレースで大成功を収めました!
この勢いを受けて、2026年7月25日(土)・26日(日)に、再び東京での開催が決定しています! 東京の街を駆け抜ける電動フォーミュラの迫力を、ぜひお子さんといっしょに体感してみてください
(文・撮影:あゆーや/アソンデミエータ)
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この記事のライター
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