
/
フェリング・ファーマは、5歳から14歳の夜尿症患児をもつ母親と患児を対象に実施した「夜尿症に関する周囲への相談の実態と親の悩み」に関する結果を発表しました。
乳幼児の「おねしょ」の頻度は成長とともに減少しますが、5歳以降で月1回以上の「おねしょ」が3カ月以上続く場合は「夜尿症」と定義されています(※1)。夜尿症は幼稚園年長の児童の約15%、小学校5・6年の児童でも約5%が罹患しているといわれています(※2)。
夜尿の頻度について、夜尿症レベルであると回答をした回答者の割合は、5歳以降年齢とともに低下しています。一方、病院に相談したことがあると回答した割合は、年齢とともに上がる傾向にありますが、相談率は10歳で40.5%、12歳で66.7%でした。小学校中学年・高学年になっても、患児の3割~半数は病院に相談できていないことがわかりました。
医師に相談する前に誰に相談したか尋ねたところ、が65.7%が「配偶者」、26.7%が「配偶者以外の家族・親族」と答えました。「友人」(18.1%)、「学校、幼稚園、保育園の先生」(16.2%)、「学童の先生」(3.3%)など、家族以外への相談率は低く、12.9%は「誰にも相談しなかった」と答えています。
夜尿が原因で、子どもを林間学校、合宿、その他お泊り行事などの宿泊行事に参加させるか悩んだ経験があるか尋ねたところ、36.7%(6~14歳の子の親に絞ると41.9%)が「悩んだ」と答えました。
同調査では、小学生にとって宿泊行事は、学校の教室では得られない体験や主体的な学びという観点で非常に意義があるため、宿泊行事のタイミングで夜尿が完治できているようにすることが重要であるとしています。夜尿症は完治するまでに一年以上の時間を必要とする場合もあり、将来の宿泊行事を見据えて、早期に病院に相談し、適切な対応をとることが大事であるとのことです。
フェリング・ファーマでは今年5月8日に、順天堂大学医学部附属練馬病院の大友義之先生、スクールセーフティネット・リサーチセンターの田村節子先生、元公立小学校教員のわたなべゆきこさんを招き、「夜尿症啓発セミナー」を開催。
大友先生は、夜尿症により、患児本人は気にしていない様子を見せていても、実は自尊心が傷ついている可能性があること、親にとっても「おねしょを理由に叱ったあとに後悔する」など影響があること、夜尿症の治療を行うことで、治療開始から半年後までに80%の子どもで症状が軽快したという報告などを引用しつつ、夜尿症を病院へ相談し治療することの意義について話しました。
順天堂大学医学部附属練馬病院小児科 教授 大友 義之先生
元小学校教員のわたなべさんは、宿泊行事前には健康調査票によって把握した個別の状況に合わせて、養護教諭や担任などが子どもの状況にあったサポートを考えているということ、クラスに夜尿症の子がいることは珍しくなく、先生も特別なこととは思わず対応できるので、宿泊行事の際には早めに学校にも相談してほしいと語りました。
元公立小学校教員 わたなべゆきこさん
学校心理の専門家である田村先生は、夜尿症は自尊心低下や学業成績への影響など、子どもの学校生活の質を低下させる可能性があること、夜尿症に関する正しい知識不足が受診や相談を妨げる要因となっている可能性があることなど、子どもの家族や学校関係者を含む社会全体の理解促進が必要だと訴えました。
スクールセーフティネット・リサーチセンター 田村 節子 先生
大友先生によると、今はオンライン診療という方法も出てきているとのこと。宿泊行事に行きたいという夜尿症の子どもは多いため、宿泊行事に向けて夜尿症を改善したい場合は早めの相談をと呼びかけました。
※1:日本夜尿症学会, 夜尿症診療ガイドライン 2021, 2-3, 2021※2:日本夜尿症学会, 夜尿症診療ガイドライン2021,2021
調査対象:5歳から14歳の夜尿症患児をもつ母親:538名5歳から14歳の夜尿症患児:576名調査方法:選択式回答によるオンラインアンケート調査実施時期:2025年4月
フェリング・ファーマhttps://www.ferring.co.jp/
(マイナビ子育てニュース)
この記事のライター
マイナビウーマン子育て
38
「マイナビウーマン子育て」は、働く女性の恋愛と幸せな人生のガイド「マイナビウーマン」の姉妹サイトです。結婚後ママになりたいと思っている人や現在0歳から6歳までの子どもを持つママの、日々の不安や悩みを解決するお手伝いをしています。
恋愛・結婚の人気ランキング
新着
カテゴリ
公式アカウント