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苛烈な課金ゲームだった中学受験を終え、お金の心配もひと段落……とはいかないのが中学生の子を持つ親の宿命。とくに子どもが私立の中学校に通っていると「まさかここで!?」と言いたくなるほど、予想外の出費がありますよね。今回は都内の私立中学生(女子)にかかるお金のリアルをお届け。
<今回、話を聞いた人>Tさん/40代女性子ども2人(高校1年生長男、中学1年生次女)
私立中学というと、まず思い浮かぶのが高額な入学金や授業料です。もちろん、それらもかなりの金額で、我が家の家計にとっては大きな負担に。でも、本当に「まさか!」と感じたのは、それ以外の費用でした。
まず一番に思い浮かぶのは、教材費です。入学時に、1年間使用するテキスト代として一括でかなりの金額を納めましたが、それで終わりではありません。定期的に新しい教材が配られ、そのたびに口座引き落としの連絡が回ってきます。
もちろん、娘の学びのためなので惜しい気持ちはないのですが、月に換算するとなんだかんだでプラス4,000~5,000円ほど。年間だと結構な額になります。内訳は教科書以外の大量の副教材、問題集、参考書など多岐にわたり、正直、こんなにかかるとは入学前には想像していませんでした……。
また、私立ならではの特別授業があるのは嬉しいのですが、そこでもまたこまごまとした出費が。お琴の授業では一人一式ずつ「爪」のセット(プラスチック5000円~象牙1万円)が要り、華道の授業では花材代+持ち帰るための花袋、はてはお免状(めんじょう)をいただく際にも発行費用がかかるそう。華道だけで年間5万円くらい飛んでいきそうです。
そして、私を最も悩ませたのが、まさかの制服です!今どきの私立中学の制服は、バリエーションが豊富で本当に可愛いんです。娘の学校も例にもれず、スカート、スラックス、ポロシャツ、ベスト、セーターなど、アイテム数がたくさんあります。しかもそれぞれが色違いで用意され、コーディネートは無限大。
娘も合格後の採寸式では初めての制服に目を輝かせ、「あれも欲しい!」「この色も可愛い!」と大興奮。親としては、中学入学という記念すべき節目に、娘の希望をできるだけ叶えてあげたいと思うのが当然ですよね。受験が終わったという開放感もあり、気がつけばあれもこれもと買い揃え、合計で30万円近くになっていました。
しかし、いざ学校生活が始まると、「やっぱりこの色はあんまり着ないな」「このデザインは動きにくい」など、ほとんど着なくなってしまったアイテムがちらほら……。30万円のうち、何割かは無駄になってしまったと思うと、本当にがっかりします。
これからお子さんが私立中学に入学する予定のパパママには、「制服は必要最低限から始めるべし!」と声を大にして伝えたいです。
小学校は公立に通っていたため、友達との遊びと言っても近所の公園で遊んだり、たまにゲームセンターに行ったりするくらいで、かかる費用はそれほど多くありませんでした。ところが中学生になると、一気に世界が広がります。
娘の学校のお友達の中には、毎月のようにディズニーランドに行くお子さんもいるようで、正直驚きを隠せません。もちろん、全員がそうではありませんが、映画、カラオケ、カフェやファミレスでのおしゃべりなど、お小遣いでは賄いきれないくらいお金がかかる「遊び」が増えてきます。
中学生とはいえお友達との付き合いも大事だと思っているので、「クラスの子と映画を観るから」「カラオケに行きたいんだけど」と娘に言われるたびに、お小遣いとは別にお金を渡しています。多い月には、その「遊び代」だけで1万円近くになることもあり、家計簿を見ながら頭を抱える日々。これも、小学校とはけた違いの出費ですね。
さらに悩ましいのが、友達同士で贈りあう誕生日プレゼントです。小学校までは、手作りのプレゼントを交換したり、数百円のお菓子を贈りあったりする程度でした。しかし娘の中学校では、友達の誕生日には「ちゃんとしたプレゼント」を用意するのが当たり前のムードのよう。最初は1,000円程度かな、と思っていたら、いつの間にかグループで出し合って数千円、時には1万円近いプレゼントを贈ることも……!
仲の良いお友達の誕生日が続くと、お小遣いだけではとても足りず、追加でこっそり渡すことが増えました。娘に「みんなそうしているから」と言われると、なかなか強くは言えず……人間関係って悩ましい!
そして、私立中学でかかる教育費で、忘れてはならないのが修学旅行代。娘の学校は中学2年時に修学旅行があり、行先によって費用が大きく変わります。
例えば、定番の京都・奈良だと15万円、沖縄だと25万円くらい。当初はこれだけでも「高いなー」と感じていましたが、私立では海外に行くのもごくごく当たり前のようです。燃油サーチャージも高騰する昨今、オーストラリアは50万円近く! 見積もりの数字とはいえ、思わず悲鳴が出てしまいました。
子どもにとって、修学旅行は一生に一度の貴重な体験であり、異文化に触れる良い機会なのは重々承知しています。娘も「オーストラリア、みんなと一緒に行きたい!コアラを抱っこしたい」とワクワクしているので、できることなら行かせてあげたい。
しかし入学金や授業料、その他諸々の費用にプラスして数十万円単位の請求が来ると、正直なところ「卒業までに一体いくらかかるんだろう……」と、途方に暮れてしまいます。
そんな教育費地獄(?)の中でも、少しだけホッとできる部分もあります。娘の学校では、とってもリーズナブルな価格で夏期講習や冬期講習などの補習を受けられるんです。
なんと、英国数の1科目あたり(各回80分×全4回)1500円くらいで受講OK。一般の塾に行くと2~3万円近くになることもある中、これは本当に助かります。苦手な科目を克服したり、得意な科目をさらに伸ばしたりできる良い機会なので、我が家では積極的に利用しています。
高校になるとさらに講習は充実し、英国数理社すべての科目のオンライン授業を、学校のPCルームで無料で受け放題というプログラムもあるのだとか。真面目に行ってくれるかはわかりませんが、もしこれで塾いらずで大学受験にのぞめるようであれば、こんなにお得なことはありません……!
中学入学から数か月。振り返ってみると、娘の教育費は、入学前に立てた計画をはるかに超えるペースで増え続けています。もちろん、娘が楽しく学校生活を送り、充実した学びを得ていることは何よりの喜びです。でも、現実問題として、家計への負担はかなりのもの。
子育て中のパパママの皆さん、我が家の体験談を参考に、お子さんの教育費計画を立てる際には、想像以上に「ゆとり」を持たせることを強くお勧めします!そして、何にどのくらいかかるのか、具体的に情報収集をすることも大切だと痛感しています。
周囲のパパ友ママ友ともこまめに情報交換をして、教育費の荒波を一緒に乗り越えていけるといいですね。
この記事のライター
マイナビウーマン子育て
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