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『親子の法則 人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』(KADOKAWA)の著者で、9万人を救った親子関係心理学の専門家・三凛(さんりん)さとし氏はこのほど、「帰省時の気持ちと親子関係」に関するアンケート調査を実施しました。
帰省ブルーの実態を調査
家族と再会できる帰省シーズン。しかし、近年は「実家に帰るのが憂鬱」という声も増えています。
実家から出て暮らす20歳以上50歳未満の男女全国301名を対象にした調査の結果、帰省を楽しみにしている人が4割を超える一方で、気疲れや義務感を抱える人も少なくないことがわかりました。
帰省についての意識を探るため、「実家に帰るときの素直な感情」を聞いたところ、「楽しみ・リラックスできる」(41.5%)が最多で、「親に会えるのはうれしい」(30.9%)も高く、家族との再会を楽しみにしている人が半数近くに上がりました。
一方、「気を遣って疲れる」(21.9%)、「帰省は義務のように感じる」(14.0%)、「とにかく気が乗らない」(8.0%)、「親に会いたくない」(4.7%)といったネガティブな感情も目立ちました。
また、女性は男性より「気疲れ」「義務感」「会いたくない」と答える割合が高く、帰省ブルーを抱えやすい傾向が見えました。
次に、「帰省時に実家で気になる・イヤだと感じること」について聞いたところ、「親の言動・価値観の押し付け」(28.6%)と「自分の生活への干渉」(28.2%)がほぼ同率で上位を占めました。
また、「結婚や出産に関する話題」(14.6%)もストレスの要因となっています。
続いて、「実家と距離を置きたいと思うことはあるか?」聞いたところ、「よくある」(21.9%)、「時々ある」(25.9%)と答えた人が約半数(47.8%)に上る結果となりました。
反対に、「もっと関わりたい」と答えた人は5.7%にとどまりました。
最後に「父親・母親・きょうだいとの仲」について聞きました。「父親との仲」については、「非常に良い」(15.3%)、「まあまあ良い」(22.9%)と答えた人が38.2%。「母親との仲」については、「非常に良い」(19.9%)、「まあまあ良い」(28.2%)と答えた人が48.1%で、父親との仲を約10ポイント上回りました。
また、「きょうだいとの仲」については、「普通」(29.6%)が最多。「非常に良い」(14.3%)と「まあまあ良い」(23.9%)を合わせると38.2%で、良好な関係を築いている人も多いことがわかります。
その一方で、「疎遠」(7.0%)、「良くない」(5.3%)、「あまり良くない」(5.0%)の回答も17.3%と一定数あり、兄弟姉妹の関係性も一様ではないことがうかがえます。
今回の調査で、帰省を楽しみにする人と帰省ブルーを抱える人の二極化が浮き彫りになりました。
親世代との価値観の差や家事分担、結婚や出産に関する話題へのプレッシャーがストレスの主な要因であり、親との関係が良好でも距離感を保ちたいと考える人が多いことが確認されました。
そこで三凛氏が提案する帰省ブルーを軽減する5つの工夫をご紹介します。
家事分担や親戚づきあいで妻ばかりが疲弊し、夫は実家でくつろいでいる…。そんな構図が帰省ブルーの大きな要因になっています。夫婦がそれぞれ自分の実家に帰る、あるいは夫だけ子どもを連れて帰省する「父子帰省」というスタイルなら、妻は自分の実家でリラックスしたり、自宅で休息したりできます。家族の形が多様化する現代では、夫婦別行動の帰省も選択肢の一つとして検討してみてください。
実家に泊まると生活リズムや衛生環境の違いでストレスが溜まりやすく、家事の負担も増えます。近くのホテルや旅館を利用して寝る場所だけ分ける「ホテル帰省」は家族全員の気疲れを減らす効果があります。滞在日数を短く決めておくことも同様に有効です。
交通費や混雑を考えると、実家に行かない方が負担は少ない場合もあります。ビデオ通話やメッセージのやり取りが普及した今、離れていても気持ちを伝えられる環境が整いました。年末年始に親が子どもの家を訪れる「逆帰省」も良いでしょう。双方の負担を考慮して帰省の形を柔軟に選ぶことが大切です。
帰省時に親や親戚と交わす会話は、楽しみでもありながら、時にストレスの火種にもなりがちです。特に、結婚や出産、仕事の話題は、本人の状況によっては触れられたくないテーマです。そのような質問をされたときは、素直に「今は自分のペースで考えているから、決まったら報告するね」と気持ちを伝えつつ、最近始めた趣味やおすすめのテレビ番組、地元の美味しい食べ物など共通の話題にさりげなく切り替えましょう。
また、親や親戚から過去の失敗談や家族の悪口を聞かされた場合は、同調するのではなく、「そういうこともあったね。でも、今はこうしてみんな元気で良かったよ」と肯定的な言葉で受け止め、別の話題に移すのが効果的です。健康の話題や季節の行事、近況報告などは世代を問わず話しやすく、場を和ませる助けになります。
ストレスの多くは、「○日滞在しなければいけない」「親戚全員に手土産を用意しなければいけない」といった暗黙の期待から生じます。事前に滞在日数やスケジュール、家事分担の範囲を家族で相談し、無理のない形に調整しましょう。場合によっては、帰省費用や準備を夫婦で分担したり、手土産をネット通販で手配したりするなど負担を減らす工夫も有効です。
帰省ブルーを軽減するためには、従来の「みんな一緒に実家に集まる」スタイルにこだわらず、セパレート帰省やホテル帰省、オンライン帰省など新しい選択肢を取り入れ、コミュニケーションや滞在方法を工夫することが重要です。帰省は家族の絆を確かめる大切な機会ですが、自分や家族の心身の健康を守ることを最優先に、無理のない形で実践していきましょう。
合同会社serendipity 調べ調査期間:2025年7月30日調査手法:インターネット調査調査対象:実家から出て暮らす20歳以上50歳未満の男女全国有効回答者数:301名(男性: 151名、女性: 150名)調査機関機関:Freeasy
(マイナビ子育て編集部)
この記事のライター
マイナビウーマン子育て
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