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せっかくの夏休み、小4息子に届けたいのは“いつもと違う学び”。そんな想いで見つけたのが、毎日新聞社・毎日小学生新聞が主催する【学びのフェス2025夏】です。なんと約40の企業・団体が、小学生のために特別な授業を用意しているとのこと。果たして、どんな授業が待っているのか……⁉ 期待を胸に、親子で参加してきました!
2025年8月6日(水)に、渋谷の実践女子大学にて【学びのフェス2025夏】が開催されました。

本イベントは、毎日新聞社と毎日小学生新聞が2014年から主催している、春・夏休み限定の体験型フェス。企業や団体が小学生向けに開く“出前授業”を一堂に集めたもので、なんと参加費は無料。科学、アート、環境、お仕事体験など、学校ではなかなか出会えないジャンルの授業がそろい、毎回多くの親子でにぎわう人気イベントです。
今回の夏フェスには、約40の企業・団体が参加。受講授業は、事前申し込み&抽選制で決定するしくみとなっていました。
ジリジリと太陽が照りつける真夏の繁華街を抜けて、親子で向かった先は【学びのフェス2025夏】の舞台、実践女子大学渋谷キャンパス。 「今日はどんなことが待ってるの?」そんなワクワクを胸に、親子連れが続々と会場に足を踏み入れる姿に、こちらまで胸が高鳴ります。

受付を済ませて息子が手にした入場カードには、事前メールで案内されていた授業名がズラリと並び、いよいよ“学び”の1日がスタート。授業は1コマ40分、最大5時間目までの時間割スタイルで進行するので、小学生でも集中力が保てそうです。
それでは、我が家が受講した5つの授業を、順を追ってご紹介していきましょう。
どんな計算でもパパッと答えを出してくれる「電卓」は、子どもたちにも身近で頼れる存在。でも、その中っていったいどうなっているの?そんな素朴な疑問に答えてくれるのが、カシオ計算機による授業「電卓のひみつ!」です。

このプログラムでは、実際に電卓を分解し、その内部構造をじっくりと観察するという、めったにできないユニークな体験が待っていました。

レゴ遊びで鍛えた指先のおかげか、息子は電卓の裏のネジ外しもスイスイ。ドライバーを手に、楽しそうに分解作業を進めていました。
ネジを外し終えて、そっと蓋を持ち上げると……ジャ、ジャーン!

蓋の奥から現れたのは、ギッシリと詰まった繊細なパーツ。中央にある黒くてひし形のパーツは、この電卓の“頭脳”とも言えるLSIです。

まるで誰かの頭の中をそっとのぞいているような、不思議でドキドキする瞬間。息子は「へぇ~、こうなっているんだ!」と目をキラキラさせながら、夢中で見つめていました。こんな体験、普段はなかなかさせてあげられないですよね。貴重すぎる~!
観察が終わったら、分解の逆手順で組み立てスタート。

ネジをくるくる、パーツをカチッ。パズルみたいに形が整っていくたびに、息子の顔もパッとほころんで、楽しそうに手を動かしていました。
組み立てを終えたら、今度は電卓を使ったマジックに挑戦。

数字を足したり掛けたりするだけで、誕生日や好きな数字がズバリ当たっちゃう! 「えっ、電卓ってそんな使い方できるの!?」と、親子で思わず目を見合わせてビックリ。学びと遊びがやさしく溶け合う、心に残るひとときになりました。

白米好きの息子にとって、いまだ収束の兆しが見えない“令和の米騒動”は、まさに食卓の一大事。そんな今気になったのが、農薬メーカー・クミアイ化学工業の「お米をまもるはなし」。お米が育つ現場ではどんな工夫があるのか、親子で触れてみたくなりました。
農薬は、お米を害虫から守る“盾”のような存在。では、もしその盾がなかったら…?農薬を使わずにお米を育てるとどうなるのか─そんな問いかけがクイズ形式で出題されました。

答えは「お米を簡単に買えなくなる」。農薬なしでは、お米の収穫量は2~3割も減ってしまうと言われているのです。それだけ、農薬はお米づくりの“縁の下の力持ち”。田んぼがピンチのときにサッと現れて守ってくれる、まるで“田んぼのヒーロー”みたいですね。
農薬は、単に「効き目があればいい」だけではありません。実は、農家さんが日々の作業の中で扱いやすいように、形や使い方にまで細やかな工夫が施されているんです。授業では、実際に農薬を使ってみることで、その使いやすさを体感することができました。

今回用意されていたのは、サラサラと舞う粒状の「粒剤」と、ころんとした豆のような形をした「豆つぶ剤」の2種

軽くて風に舞いやすい「粒剤」は、意図したところにうまくまけなくてムラになりがち

水面をすべるように移動しながら、じわじわ溶けていく「豆つぶ剤」は、自然と広がってムラになりにくい
手作業で除草すると約50時間もかかるところが、粒剤を使えば数時間に短縮。そして豆つぶ剤なら、さらに手間いらずでラクになるんだとか。農薬メーカーさんをはじめ、田んぼを支えてくれるたくさんの人たちが、見えないところで力を尽くしてくれているからこそ、今日も私たちはおいしいごはんが食べられるわけです。本当にありがたいですよね。
思いがけず息子がイキイキと楽しんでいたのは、クミアイ化学工業のオリジナル農業カルタを使ったゲーム。

「地球温暖化」「フードロス削減」「スマート農業」……子どもたちが今知っておきたいキーワードがちりばめられたカルタ。ゲーム感覚で楽しみながら、環境や食の課題に自然と触れられる、そんな学びの時間でした。
お次の授業は、「ソーラーちょうちんづくり」。工作好きな息子は「わーい!」と満面の笑み。

でも、どうやらただの工作じゃなくて、泣いている白くまの涙を止めるために、みんなで考える取り組みなんだそう。息子も「なんで泣いてるんだろうね?」と、ちょっと気になる様子でポツリ。そのままワクワクした顔で教室に入っていきました。
授業は、ホッキョクグマの兄弟「そら」と「べあ」の物語から始まります。

ある日、お母さんと離れ離れになった2頭の瞳に、涙がこぼれました。その奥には、地球温暖化で北極の氷が静かに溶けていく現実が。スクリーンを見つめる子どもたちの表情にも、そっと心が動いた気配がにじんでいました。
続いて地球温暖化にまつわるクイズにも挑戦。 間違えると“自分が乗っている”新聞紙を折りたたまないといけないというドキドキのルール。

新聞がどんどん小さくなり、最後は立てるかどうかのギリギリ勝負……! でも息子たちのチームは、なんと全問正解。一度も折らずに見事クリアしました。お次は、いよいよソーラーちょうちんづくりがスタート。

太陽の力で光るLEDランタンづくりに、息子も夢中で手を動かします。

ふわりと灯った手づくりのランタン。そのぬくもりに触れた瞬間、「再生可能エネルギーってこんなに身近だったんだ」と、息子といっしょに感じることができました。
教室には「べあくん」も顔を出してくれて、息子もニッコリ。

この体験が、息子にとって環境やエネルギーについて考え始める入り口となっていたら……心よりうれしく思います。
「お店って、どうやってもうかるの?」とある日つぶやいた小4息子。お金のしくみに興味を持ち始めた時期にぴったりだったのが、みずほポシェットの授業「アプリを使って、めざせ社長!」です。

みずほポシェットは、みずほフィナンシャルグループとセガ エックスディーが手を組んで生まれた会社。「お金ってなに?」を親子で楽しく学べるように、ゲームやエンタメの力でワクワクする金融教育を届けています。
登壇したのは、みずほポシェットの代表取締役社長・小原綾子さん。「金融業界の人」と聞くと、なんだかカタそうなイメージがあるけれど、小原さんはふんわりとした空気感で親しみやすい雰囲気の方。その温かな語り口に、子どもたちも自然と耳を傾けていました。

「モノを売るお店を開いて、社長になるとしたら……どんなお店にしたい?」そんな問いかけから、ワクワクの授業がスタート!息子をはじめ、ほかの子どもたちも「こうしたい!」「あれも必要かも!」と、次々にアイデアを口にしていて、みんなの前のめりな姿がとても印象的でした。
知識をしっかりチャージしたら、いよいよ実践編。ゲーム感覚で楽しく学べるお金のおけいこアプリ「ポシェットプラス」を使って、みんなで1つのお店の経営にチャレンジします。

アプリの操作は、主催者が担当。でも 「どれを仕入れる?」「いくらで売る?」などの選択は、子どもたち自身の“考える力”で導き出すスタイルとなっていました。おもしろいのは、ただ「売りたいもの」を並べるだけじゃないところ。

そのときの仕入れ値や、街の人たちがどんなものを求めているかじっくり考えながら、何を仕入れるかを考えるのがポイント。そしてそれをいくらで売るかも大事で、まるで本物の店長さんみたいに、ちょっとした読みと工夫がカギになるんです。ちょっぴりヒントももらいつつも、子どもたちは自分の頭で考えて、仕入れや販売に挑戦。

結果は大繁盛! 満足げな表情が、子どもたちの手応えを物語っていました。
「ポシェットプラス、自分でやってみたい!」という息子のリクエストで、自宅に帰ってさっそくアプリをダウンロード。

ポシェットプラスのダウンロードは無料。一部有料コンテンツあり
今では、ときどき思い出したように「ポシェットプラスやってもいい?」と声をかけてきては、自分のお店を楽しそうに動かしています。
トリを飾ったのは、息子も楽しみにしていた卓球の授業。日本のプロ卓球リーグ「Tリーグ」と、卓球用品の老舗ブランド「ニッタク」がタッグを組んだ特別授業で、その名も「楽しく、卓球体験教室」です。講師は、元オリンピックメダリストの平野早矢香さん!

卓球を始めたのは、なんと5歳のときなんだそう。そこから「日本一になる!」という大きな夢を胸に、毎日コツコツ努力を重ねて……その夢が叶ったのは高校1年生、15歳のときでした。10年間かけて、たどり着いたゴール。そのお話には、「がんばるって、ほんとにカッコいい!」って思わせてくれる力があって、子どもたちの心にも、きっとまっすぐ届いたはずです。ラケットの持ち方や打ち方を教わったら、いよいよ実践!

卓球マシーンから次々に飛び出すボールをラケットで打ち返し、狙いを定めて数字の的を撃ち抜いていきます。

マシンから出てくるボールは、一定のリズムに見えるのですが、実はタイミングを合わせるのがなかなか難しい!

でも平野さんの指導を受けながら挑戦するうちに、後半には少しずつ打ち返せるように。息子も、ボールが当たったときはニッコニコ。「できた!」の喜びが、体じゅうからあふれていました。
授業では、実際に卓球をプレーするだけでなく、好きな色で卓球ボールを自由に塗りつぶしたり、絵を描いたりして、自分だけのオリジナルボールをつくる「ボールペインティング体験」も用意されていました。

卓球ボールに絵を描くなんて、なかなかできない体験だからすごく新鮮!最初は「何描こう……?」ってちょっと固まっていた息子でしたが、見本を見てピンときたのか、そこからはどんどん描き始めて、夢中になってました。
ボールペインティングを楽しんでいると、なんと平野さんが2012年のロンドンオリンピックの女子団体戦で獲得した、銀メダルに触れるチャンスがまわってきました!

なんて贅沢な体験! 息子も「わ、重たいね」と言いながら手に取っていて、キラキラとした眼差しで見つめていました。
企業や団体との出会いが次々とあって、息子の好奇心はもう全開! 大学のキャンパスが“企業体験テーマパーク”みたいになっていて、親子であちこち回りながら気づけば夢中に。まるで未来の扉が次々と開いていくような、そんなワクワクが詰まった一日でした。
「学びのフェスって聞いたときは、もっとお勉強っぽいのかなって思った」と息子。でも想像以上に楽しかったようで、目を輝かせる瞬間が何度もありました。

「また次回も行きたい!」と、うれしいひと言も。次回「学びのフェス」は、春休みの3月下旬に昭和女子大学(東京都世田谷区)で開催予定とのこと。次はどんな出会いが待っているのか……今からとても楽しみです!
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