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乳幼児玩具メーカー「ピープル」のおもちゃ、子育て中のパパママなら一度はお世話になったことがあるのでは? 今回は、ピープルが「HOME/WORK VILLAGE」(東京・世田谷区)で開催している展示イベントに編集部がお邪魔し、1歳児向けのおもちゃ開発にかける同社の熱い想いや、開発秘話について詳しく伺いました!
1982年の玩具事業創業以来、40年以上にわたり子どもたちの好奇心を研究し続けてきたピープル。2022年に「子どもの好奇心がはじける瞬間をつくりたい!」というパーパスを掲げ、1歳児を対象にした新しいおもちゃづくりプロジェクトをスタートさせました。そのおもちゃが、2025年5月に発売された「1curiosity(ワンキュリオシティ)」。およそ3年にわたり、日本のみならず世界各国の1歳児をリサーチし、膨大な研究データをもとに開発された画期的なおもちゃなんです。

新商品「1curiosity(ワンキュリオシティ)」シリーズ
今回紹介する「(1歳の好奇心)への好奇心 ~本当によく遊ぶおもちゃの作り方~」展は、「1curiosity」の開発にあたり、世界19ヶ国75組の親子を対象に行った調査から見えてきた1歳児のありのままの日常や、行動、身の回りのモノへの好奇心について紹介するというイベント。我が子のおもちゃ選びに悩んでいるパパママや、保育や幼児教育に関わっている方にとっては、とても興味深い展示内容となっていました。

会場を訪れ、まず目を引かれたのは壁一面に貼られた“世界中の1歳児”の写真たち。ティッシュを箱から引き出したり、小さな段ボールやかごにもぐりこんだり、リモコンを好き放題に押したり……まさに赤ちゃんあるあるの、日常そのものの姿が写し出されていました。

世界中の1歳児が日ごろどうやって遊んでいるかがわかる展示。国が違っても「うちもこうやって遊んでる!」と共感できるものばかり※会場では撮影不可のためモザイク処理をしています
プロジェクトが始動した2022年はまだコロナ禍が続いていた時期でもあり、海外での調査活動は困難を極めたそう。リサーチに協力してくれるご家族は、社員の個人的なツテを頼り、海外に住む友人やその知り合いを紹介してもらうなど、人海戦術で行われたのだとか。それもあって、よりリアルな姿がとらえられたのかもしれません。
「調査の結果、海外と日本で家の間取りや家具は違っても、どの国の1歳児も夢中になるのは身近な日用品であるという共通点が見つかりました」と語るのは、「1curiosity」プロジェクトメンバーの平井祐喜子さん。
たしかに、どんなに面白そうなおもちゃを与えても見向きせず、お菓子の空き箱や調理器具などに夢中になる赤ちゃんって、本当に多いですよね……!
データの収集後、世界の1歳児が行っている行動を「ひねる」「ほじくる」「たたく」などに分類し、さらに月齢ごとにどのような進化が起こっているか、触っている日用品にどんな違いがあるのかを表にまとめた調査チーム。その結果、1歳児は驚くほど多種多様な行動をしていることがわかったそう(詳細は会場でぜひご確認ください!)。
とはいえ、どの国の1歳児も好む“共通点”があることもだんだん見えてきて、具体的な試作品づくりへと発展していきました。

会場にズラリと展示された試作のおもちゃ
鍋やブラシ、綿棒ケース、はたまたトイレのスッポン(笑)まで、世界中で実際に使われている日用品を取り寄せ、1歳児が好みそうな形状や色を考えながらコンビネーション。会場内には60近い試作品が所狭しと並べられ、見ているだけで楽しい気分になってきます。しかし、平井さんいわく「これでも全試作品の半分程度です」とのことで、試作にかける熱量に驚かされました。
それぞれの試作品には、実際に1歳のお子さんに遊んでもらった際の反応が記され、◎△×にて評価が付けられています。大人の目には「これ好きそう」と思われるおもちゃが意外と低評価ということも多く、赤ちゃんの心理は本当にナゾ……!

握力を鍛えるハンドグリップにプラスチックのボウルを付けた試作品。ボウル部分にモノを入れることを期待したものの、実際遊んだ子どもたちはモノを入れなかったそう

高評価だったのは、トイレのスッポン、シリコンラップ、保湿剤の缶を組み合わせた試作品。子どもたちは持ち手をつかんで持ち上げたり、マニュアル車のギアのように持ってぐりぐり回したりして遊んでくれたそう

へら、洗濯ホース、半球ボールを組み合わせたおもちゃ。大人目線で「遊んでくれそう」と思って洗濯ホースと半球ボールを付けたものの、子どもたちはそれをことごとく無視し、なかには取り外そうとした子もいたそう
自らも商品開発に深くかかわる、同社の取締役兼代表執行役・桐渕真人さんはこのように話してくれました。「大人が考える“子どもの好み”を過剰に組み合わせると、それぞれの良いところをつぶし合ってしまうんです。子どもの世界は、思った以上に自由。大人が誘導した遊びには広がりがなく、すぐに飽きてしまいます」
この考えは、桐渕さん自身がお子さんを育てる中での発見だったそう。「息子はぬいぐるみが大好きなんですが、小3になった今でもお気に入りなのは、なんの変哲もないシンプルなもの。幼児に人気のキャラクターものには興味を示しませんでした。アニメ等に出てくるキャラクターはすでに性格ができあがっていて、枠を越えた遊びができないからではないでしょうか」

大人が“こう遊んでほしい”とおもちゃを押しつけるのは、誤り。子どもの好奇心や発想力を大切にするピープルならではのストレートなメッセージは、ガツンと響きました。
1歳児のアタマの中に少しだけ近づける――そんな機会が得られるかもしれない同イベント。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
■期間:2025年10月19日(日)~10月26日(日)■開催時間:11ː15~17ː00/入場は16:30まで※24日(金)のみ11ː15~18:45/入場は18:15まで■会場:HOME/WORK VILLAGE東京都世田谷区池尻2-4-5 2Fホール(209)■入場料金:1,000円(高校生以下無料)※現地決済、キャッシュレス決済のみ対応可能
※子どもと一緒の入場も可能ですが、おもちゃの体験コーナーはありませんので予めご了承ください※混雑時は事前予約が優先
(1歳の好奇心)への好奇心展 ~本当によく遊ぶおもちゃの作り方~/ピープルhttps://1curiosity.com/blogs/news-1/exhibition-2025
(取材・文:マイナビ子育て編集部)
この記事のライター
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