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一般社団法人 起立性調節障害改善協会はこのほど、小学生〜高校生の子どもを持つ保護者243名を対象に、「子どもの朝の不調」に関するアンケート調査を実施しました。
気温の低下や日照時間の減少が進むこの時期、「朝、なかなか起きられない」「体がだるくて学校に行きたくない」と訴える子どもが増えています。
今回の調査の結果、8割以上の家庭で「朝起きづらい」と感じていることが明らかになりました。特に秋〜冬の季節変化に体調不良を感じる傾向が見られ、“怠け”ではなく、自律神経の乱れによる「起立性調節障害(OD)」の可能性も示唆されました。
近年、小学生のうちから「朝起きづらい」「体がだるい」と訴えるケースが増えています。
生活リズムの乱れやスマートフォンの利用、塾や習い事による夜更かしなど、生活環境の変化が自律神経のバランスに影響している可能性も指摘されています。
こうした状態が続くと、寒暖差や日照時間の減少といった季節の変化をきっかけに症状が悪化することも少なくありません。
今回の調査は、子どもの「朝の不調」がいつ頃から、どのような生活変化とともに現れやすいのかを明らかにし、“怠け”ではなく身体のサインとしての「朝起きづらさ」への理解を深めることを目的としています。

Q1:お子さまは「朝起きづらい」と感じることがありますか?
時々ある:43.6%よくある:38.3%ほとんどない:12.8%まったくない:5.3%
「よくある」「時々ある」を合わせると8割を超え、ほとんどの家庭が“朝の不調”を実感していることがわかりました。中には「毎日のように起きられない」と感じるケースもあり、単なる生活リズムの乱れにとどまらず、体調面の課題が背景にある可能性が示唆されます。

Q2:「朝起きづらい」と感じ始めたのは何歳(何学年)ごろですか?
小学校低学年以前:33.7%特に感じていない:16.0%小学校中学年ごろ:14.4%小学校高学年ごろ:12.8%中学1年ごろ:12.3%その他:10.8%
「小学校低学年以前」から朝の不調を感じている家庭が3割を超え、発症の低年齢化がうかがえます。また、小学校高学年から中学2年ごろまでに「朝起きづらさ」を感じ始めた家庭も、全体の約3割(30.9%)にのぼりました。
成長期における心身の変化を理解し、家庭でも無理のない生活リズムづくりを意識することが重要です。

Q3:起きづらくなった要因として考えられる、その頃の生活習慣の変化を教えてください
就寝時刻が遅くなった:28.6%スマホやタブレットを持つようになった:17.2%ゲーム時間が増えた:12.1%特に変化はなかった:9.5%ストレスを感じるようになった(勉強・友人関係など):9.1%その他:23.5%(習い事が増えた:7.6%、部活動を始めた:6.6%、学習塾に通い始めた:5.9%、など)
最も多かったのは「就寝時刻が遅くなった」で約3割。スマホ・タブレット利用やゲーム時間の増加など、夜型化を招く生活習慣が上位に並びました。
一方で「ストレス」「習い事・塾」など、心理的・環境的負担を指摘する声もあり、生活リズムだけでなく子どもを取り巻く環境変化が複合的に影響していることがうかがえます。

Q4:お子さまが訴える「朝の不調」の具体的な症状を教えてください
朝起きられない/午前中に体調が悪い:29.5%特に当てはまらない:17.4%倦怠感・疲れやすさ:15.1%集中力の低下:12.4%頭痛:6.5%その他:19.1%(気分の落ち込み:6.0%、腹痛:5.7%、立ちくらみ:2.2%、など)
「朝起きられない」「午前中に体調が悪い」が3割近くを占め、日常生活や登校への支障が大きいことがわかりました。また、「倦怠感」「集中力低下」「気分の落ち込み」などの回答も多く、心身のバランスが乱れている兆候が読み取れます。
症状の多様性からも、体調だけでなくメンタル面のケアが求められることが示されています。

Q5:季節によってお子さまの朝の体調に変化を感じますか?
どの季節もあまり変わらない:51.0%秋・冬になると体調が悪くなりやすい:25.5%特に気にしたことがない:17.3%春・夏になると体調が悪くなりやすい:6.2%
半数以上が「季節による変化はあまりない」と答えつつも、4人に1人が秋冬の不調を実感していました。寒暖差や日照時間の減少による自律神経の乱れが関与している可能性があり、季節の変わり目が症状を引き起こす“トリガー”になり得ることが明らかになりました。

◆代表理事(竹田 浩一氏)のコメント「朝起きられない」という訴えの裏には、体のSOSが隠れていることがあります。思春期はホルモンバランスや自律神経が大きく変化する時期で、特に小学生から中学生にかけては、生活環境の変化やストレスの影響を受けやすくなります。朝の不調が続くときは、叱ったり無理に登校させたりせず、まずは休ませる勇気と観察する姿勢を持ってください。一人で抱え込まず、時には医療機関や専門家へ相談することも、子どもにとって大切な支えになります。
調査主体:一般社団法人 起立性調節障害改善協会調査期間:2025年10月25日〜10月28日調査対象:全国の保護者回答数:243名調査方法:インターネットによるアンケート調査
一般社団法人 起立性調節障害改善協会https://odod.or.jp/
(マイナビ子育て編集部)
この記事のライター
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