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最大3工程で簡単、家にある材料でできる。何より、おいしい!家族を笑顔にする簡単レシピをInstagramで公開し、瞬く間にフォロワー22万人超えとなった料理家・あこさん。前編では「子どもと泣きながら料理を作った」エビソードやレシピを考え始めたきっかけを聞きました。後編では、3児の子育てについてうがかいます。

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――あこさんが毎日のご飯で工夫していることを教えてください。
あこさん(以下、あこ)その日の自分の時間と気持ちの余裕を超えたものを作ろうとしないこと。前もって夕飯を決めていても、意外にやることが多くて「もうこんな時間!」となることもありますよね。そんなときは決めていたものを無理して作るのではなく「もう今日は余裕ないから簡単な丼レシピにしよう」というふうにしています。無理をして作ると、料理中もイライラして子どもとの関わり方にも余裕がなくなってしまうので。自分に余裕のある範囲で作れるものに変更することで、追い詰められてイライラ母さんにならないようにしています。
――臨機応変に対応しているんですね! 3兄弟の食事づくりで気をつけていることはありますか。
あこ子どもたち3人、それぞれ苦手なものがあります。でも1~2個はがんばってほしくて、加減しながら無理なく食べられる量を盛り付けています。一食の量も、それぞれこれぐらいは食べてほしいなという量を盛っていますね。以前、盛りつけているうちに誰がどのお皿かわからなくなったことがあって。今はお皿に名前シールを貼ってわかるようにしています。子どもたちも自分の名前が貼られたお皿をとって、自分の席に持っていきますよ。
――お皿に名前のシールはお子さんも喜びそうですね。子育ての中で特に大切にされていることも教えてください。
あこ子どもたちが自分でやろうとすることに、つい手や口を出しそうになるんですが、ぐっと堪えて見守ることを大切にしています。フルタイムで働いていたときは、特に朝バタバタして、大人がやったほうが早いからやってしまったり、急かしたりすることが多かった。でも今は、子どもが自分でできるまで待つことができていると思います。
――それは料理を時短できたことも大きいのでしょうか?
あこそうですね。働き方が変わったのもあるし、料理でいっぱいいっぱいだったときは、できていなかったと思います。料理を無理しなくなってゆとりができて、一番よかったのは、やっぱり子どもと向き合える時間ができたこと。子どもたちが一緒にトランプをやりたいと言ったとき、料理でバタバタしていたときは相手をしてあげられなかったんです。それが今は「まあ洗い物はこれだけだし、後でやるか」と一旦保留にして、1回でも一緒にトランプができるようになりました。そうやって子どもたちと遊んだら「ちょっといいお母さんができたかも」と、自己肯定感も上がります。バタバタしていると「子どもたちに冷たくしちゃったかな。よくないお母さんだな」と自分の評価が下がってしまうので、余裕を持つことが自信にもつながっています。

――お子さんと一緒に料理をすることは?
あこあります。夕飯を作るタイミングが多いです。自分たちから「手伝う」とか「やってみたい」と言ってくれます。手伝ってくれると余計時間かかるんですけど(笑)。そこはぐっと堪えて「手伝ってくれてありがとう。助かるなあ」と感謝の気持ちを伝えるようにしています。
――素敵! ほかに、お子さんと一緒に料理をする際に気を付けていることはありますか?
あこあまり手を出さないようにしていますね。野菜を切ってくれたとき、予定よりも大きく切られてしまうことがあって。「この料理にこの大きさのにんじんか……」と思うんですけど、手直しをするとせっかく子どもが「自分で切った」という経験を塗り替えてしまうので、そのまま使います。すると食べるときに「あ、自分が切ったやつ!」って、すごくうれしそうにするんですよ! そうして自分で作って「おいしかった」「家族が喜んでくれた」といううれしい気持ちを感じてほしいですね。
――私は直してしまうので、反省しました。
あこ私も最初は直したり、もうちょっと小さく切ってと言ったりしていたんですけど。「自分で作った」とすごく誇らしげにしている姿を見て、そこをもっと大切にしてあげようと思いました。もうそのまま、その子が切った状態で入れています。すごい繋がったこんにゃくとか出てきますけど(笑)。なるべく褒めて、料理ができる大人に育ってほしいなと思いながら、日々やっています。
――それは料理好きになってくれそうですね。はじめからお子さんたちは「自分でやりたい」と言っていたんですか?
あこ最初は私から「やってくれる?」と声をかけていました。そこで楽しいと感じてくれたのか、今では自分から来てくれるようになりましたね。
――あこさんの見守る姿勢がお子さんの自主性に繋がっているんですね。

――あこさんのこれからの目標を教えてください。
あここれからも「簡単にできる、なるべくハードルを下げた料理」を発信し続けたいと思っています。その簡単の中で、いかにおいしくできるかをもっと追求したいですね。「あこさんのレシピはどれも間違いない!」と言っていただけるようになりたいです。本もまた出せたらいいな、という気持ちもありますし、「こういう副菜があったほうがいいかな」と2冊目の本のことをちょっと頭の片隅に置きながらレシピを考えるようになりました。
――最後に、子育て中のママさん、パパさんに一言お願いします。
あこ料理は「手を抜いちゃいけない」考える方も多いと思いますが、手を抜くのではなく「手間を抜いて愛情たっぷり」で。おいしかったらそれでOK。パパとママが気持ちや時間に余裕ができると、笑顔が増えると思うんです。そうやって親が笑顔でいると、子どもの笑顔も増えるはず。過去の私みたいに「ちゃんとやらなきゃ」とか「手を抜いちゃいけない」とか、そんなふうに思わないで。どこかでふっと力を抜いて、手間を抜いてください。頑張り過ぎずに、笑顔で暮らしてほしいです。そのなかで、毎日のご飯作りが楽になったり、ちょっと楽しいかもって思えたりするお手伝いを、レシピを通してできたらいいなと思います。
――料理はとにかく頑張りすぎず、家族でおいしくいただくことが大切ですね。ありがとうございました!
Instagramのフォロワー22万人超! 100万人が保存した「家族が喜ぶ」大人気レシピ186品を収録。いつもの材料・調味料で3工程以内でできるので料理のレパートリーが広がります。あこさんの「ごはん作り」を少しでもラクに、そして家族が笑顔でいられるようにとの思いが詰まった、キッチンに常備しておきたい一冊。
(取材・文:佐藤華奈子/マイナビ子育て編集部)
この記事のライター
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