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アラフォー・アラフィフ専門の婚活カウンセラー・伊藤友美さんのもとには、さまざまな理由で婚活に行き詰まる女性たちが訪れます。本シリーズでは彼女たちの悩みを深掘りしながら、婚活成功のヒントを探ります。
今回は、婚活中の38歳女性が「友人への嫉妬」に苦しみ、結婚を遠ざけてしまうケースを取り上げ、カウンセラーが導き出した解決策をお届けします。
「婚活のスタート」を、結婚相談所や婚活アプリに登録することだと考えているとしたら、それは違います。本当のスタートは、「できれば結婚したい」ではなく、「私は本当に結婚したい。結婚する」と心底思って、腹落ちすることです。以前、私のところへ相談に来てくれた人に「本当に結婚したいのですか」と質問をすると、「婚活アドバイザーに相談に来ているのだから、結婚したいに決まっているじゃないですか」と言われることがありますが、そうとも限りません。大切なのは、「本心からそう望んでいるかどうか」そして「結婚したいという本心を自覚しているかどうか」です。
E子さんの場合も、婚活アプリに登録はしていましたが、「自分は本当に結婚したいのかどうか」という自覚が曖昧なままでした。「結婚したい!とガツガツすると、相手に引かれる」「みっともないと思われる」などと思い込むあまり、「結婚したい」という本心に向き合えずにいたのです。
婚活をしているのに、「結婚したい!」と前のめりにはなりたくない。一見矛盾しているようですが、婚活沼に陥りやすい人によくある心理です。心のどこかに「ガツガツ婚活するのではなくて、自然な流れで結婚したい」「自分からではなくて、相手に請われて結婚したい」という願望があるのでしょう。でも、そんな受け身の姿勢でいるから、これまで結婚相手に出会えなかったのですよね。
「結婚したい」という自分の気持ちに素直になり、それを表明することは、恥ずかしいことではありません。「結婚したい」と言ったら引くような相手は、そもそも対象外。「こんな人と結婚したい」「こういう結婚生活を送りたい」ということを表明することが、婚活のスタート地点。そして、ほしいものは「本気で」取りにいかなければ手に入りません。
「理想の人」リストを書くのも一苦労のEさんは 次ページ
E子さんは、「結婚したい」という自分の意思と向き合い、改めて婚活を始めることにしました。まずは「どんな人と結婚したいか」を知るために、「理想の人リスト」を作ってもらいます。ところが、いざリストを書き始めると、なかなかうまくいきません。E子さんは自分が書いた「理想の人リスト」にネガティブなツッコミを入れてしまうのです。「こんな人、いるわけないじゃないですか」「いたとしても、私を選ぶはずがない」「この歳で、ぜいたくは言えませんよね」というふうに。
これまでE子さんは、こうやって心の中で「いい人なんていない」「私にはムリ」と自分に言い聞かせてきたのでしょう。これでは、友人であるS美さんの結婚に、ネガティブな視線を向けてしまうのも当然です。私はE子さんに「自分を否定しないで、どんな望みも書いていいんですよ」とくり返し伝えました。「同世代の人」「経済的に安定していて、自分が仕事をできなくなっても経済的に支えてくれる人」「母親の介護をするため、結婚しても実家の近くで暮らしたい」「結婚しても、自分だけの空間がほしい」「一緒に映画や演劇を見に行ったり、旅行をしたりしたい」など、E子さんは、ようやく「理想の人リスト」を書きだすことができました。
リストは完成したものの、「こんな人、いるわけないですよね」と肩を落とすE子さん。「この世界中に、本当に1人もいないと思いますか」と聞いてみると、「1人くらいはいるかも…」と言います。結婚相手は、この世界でたった1人でいいのです。その人に出会えれば、結婚はできます。その人を見つけられるのは自分だけです。
他人への嫉妬心を克服する方法は 次ページ
E子さんの婚活は継続中です。うまくいかなくて心が折れると、「S美はいいですよね」とS美さんへの嫉妬心が顔をのぞかせるのは相変わらず。そんなとき、私はこうアドバイスします。「嫉妬している自分や、落ち込んでいる自分をアバター化して、客観的に眺めてみてください」と。「自己のアバター化」を始めてから、E子さんの意識は大きく変わりました。「この世界にはたくさんの人がいるのに、S美にばかりこだわるのはおかしいですよね」「S美の結婚もよく考えたら大変そうで、あまりうらやましくないかも」と、自分自身を客観視することができるようになりました。
婚活アプリのプロフィル欄にも「半年以内に結婚相手と出会いたい」と明記し、周囲の人にも「婚活中なので、地元で結婚相手を探している人がいたら紹介してください」と声をかけています。きっと「理想の人」と出会う日も遠くないはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。次回の婚活ストーリーもお楽しみに。
『アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーが教える
結局、理想を下げない女が選ばれる』
(伊藤友美 著 / フォレスト出版)
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離れてみると、ゲス夫にも変化が…? 修羅場の末ついに離婚、その後【なぜりこ#63】
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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