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先生! 住宅ローンもボーナス払いができるってことを知りました! クレジットカードのボーナス払いのことすらよく分からないのですが…住宅ローンでボーナス払いを使うメリットや注意点ってなんでしょうか? 教えてください!【連載】お金に弱い新米住宅編集きのっぴーの素朴なギモンを、住タコ先生が解決していく連載です。

【画像1】きのっぴー(左):新米の住宅編集者。とにかくお金のことに弱く、編集部内でローンや金利の話で盛り上がっているときは、木のごとく気配を消してその場をやりすごしている/住タコ先生(右):不動産業界に携わってウン十年。なんでも知っているが、特にお金について詳しい。いつも穏やかな物腰でさまざまなことを教えてくれる。怒りスイッチが入るとスミをぶちまける習性がある(イラスト:つぼいひろき)
ボーナス払いは毎月のローン返済額を減らせるきのっぴー:先生、住宅ローンって本当に難しいです……。まずはそもそもの、住宅ローンのボーナス払いのことを教えてほしいです……。
住タコ:うむ。クレジットカードなどのボーナス払いとは別ものになるぞ。正しくは「ボーナス時“併用”返済」という。
借りたお金を「毎月返済分」と「ボーナス時返済分」に分けて、2つのローンを並行して返済していくやり方じゃ。
きのっぴー:図にすると、こんなイメージですか?(図1)

【図1】1000万円借りたとしたら…(SUUMOジャーナル)
住タコ:1000万円を35年ローンで借りたとして、毎月返済分700万円、ボーナス時返済分を300万円に分けたとする。
毎月返済分の700万円は12カ月×35年で420回払いじゃが、ボーナス時返済分の300万円は6カ月に1回、つまり年2回の返済でいいのじゃ。じゃからボーナス時返済分は年2回×35年で70回払いとなる。
きのっぴー:ううむ…。これも図にしてみるとこんなイメージですか?(図2)

【図2】ボーナス時併用返済のイメージ(ボーナス時返済が6月と12月の場合)(SUUMOジャーナル)
住タコ:そうじゃ。じゃから、ボーナス払いのローンがある月以外は月々の返済額をおさえられる。じゃが、ボーナス時併用返済を利用すると最終的に払う金額が普通のローンに比べて多くなるんじゃ。
元金がなかなか減らないから、総支払額が多くなるきのっぴー:え?! でもこれでどうして総支払額が高くなるんですか?
住タコ:毎月返済分は毎月少しずつ元金が減っていくから、支払う利息も少しずつ減る。じゃがボーナス時返済分は半年に1回しか元金が減らないので、同じ金利でも支払う利息がその分多くなるのじゃ。

【図3】それぞれのローンの金利のかかり方(SUUMOジャーナル)
きのっぴー:ボーナス払いの方が残債が多いから、当然利息分の額が高くなる。だからボーナス払い併用にすると総支払額が高くなるんですね。
35年ローンで3000万円を借りたとしたら、差額は約6万円前後きのっぴー:では具体的に、最終的な差額はどれくらいになるんですか?
住タコ:3000万円を金利2%の35年ローンで借りたとすると…(ローン電卓を取り出す)タコタコタコのタコっと。毎月返済のみの場合に比べて、1500万円をボーナス時返済にした場合の総返済額の差額は約6万円じゃな。ちなみにボーナス時返済が300万円じゃと約1万2000円の差じゃ。
●毎月返済のみの場合(借入額3000万円、変動金利2.0%、35年返済)きのっぴー:へ?そんなものですか?
住タコ:ブシャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!(スミをかける音)
ばっかもん!家を買うと金額が大きすぎて感覚がマヒしがちじゃが、6万円なんて大金じゃ!ちょっとした家具だって買えるし、下手したら旅行にだって行けるぞい!それにこのご時世、必ずボーナスが出るとも限らんし、せっかくもらったボーナスから何十万円もローンを払うのもつらいものじゃ。
じぶんに合ったローンの返し方をすればよいが、毎月の返済負担を減らせるといっても、最終的に通常よりも多いお金をはらうことになるなら、できるだけ利用しない方がいいとわしは思うぞい!!
きのっぴー:ば、ばい~…
【本日のまとめ】この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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