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つまり、日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入していたのです。これは人口問題そのものであり、我々は少子化どころか無子化社会を生きていると言えます。
今回は 神戸市在住の岡田さん(仮名)は、41歳の金融会社勤務の男性です。39歳の妻(専業主婦)と3歳の息子と暮らす彼は、結婚年4目にして深刻なセックスレスに悩んでいます。社会課題として男性側の視点から執筆を続けるライター・山下あつおみが、彼の苦悩や葛藤、そして選んだ解決法についてインタビューする【後編】です。
◀この記事の【前編】を読む◀帰宅後はオンラインゲームに興じていて、気づけばゲーム依存が原因となったレス夫婦になっていた岡田さん。 __◀◀◀◀◀
【無子社会を考える#20】後編
岡田さんがゲーム依存から抜け出し、妻との時間を取り戻すよう努める中で、肉体的な交わりの欠如にも少しずつ変化が見え始めました。
「すぐに性的な関係が復活したわけではありません。でも、お互いに向き合う時間が増え、自然とスキンシップも戻ってきました」
岡田さんは、焦らずゆっくりと妻との関係を修復することを大切にしようと努めているようです。
「レスを解消するために、すぐに結果を求めるのは逆効果だと思いました。まずは日常のコミュニケーションを大切にして、少しずつお互いの気持ちを共有することが大事だと思います」
その後、岡田さんは妻との関係を徐々に修復し、愛情表現も改善されつつあると語ります。
「夫婦仲も少しずつ良くなってきている実感があります。焦らずに、これからも妻との関係を大切にしていきたい、そう思っています」
岡田さんがゲーム依存を見直し、妻との関係を修復する過程で気づいたことの一つは、夫や父親としての自覚が欠けていたことだったようです。ゲームに夢中になるあまり、家庭での自分の役割を軽視していたことが、家族との距離を広げる一因となっていたのです。
「友人に言われたことをきっかけに、改めて自分が家庭でどのような立場にいるかを考え直しました。家族と過ごす時間が増えるなかで、父親としての責任も同じくらい大事なものだと気づきました」
岡田さんは、息子との時間が少なかったことをとても反省しているようでした。ゲームに頼ってしまい、息子が成長していく大切な瞬間を見逃していたのではないかと考えることが増えたそうです。
「息子はまだ小さいですが、一緒に遊んだり話したりする時間が彼の成長にとってどれだけ重要かを改めて感じました。息子が何を考えているのか、どんなことに興味を持っているのか、当たり前ですが、しっかりと向き合っていくことが父親としての役目なんですよね」
岡田さんは現在、家族との時間を最優先に考え、妻との関係や息子との時間を大切にしているそうです。
「一度失ったものを取り戻すのは簡単なことではありません。でも、少しずつ家族との時間が増えていくことで、家族の絆が再び強くなっているのを感じます」
現在の岡田さんの休日の過ごし方は、家族を最優先することを心がけているようです。以前は休日もゲーム中心の生活でしたが、今では一緒に過ごす時間を大切にしています。
「家族との時間を取ることで、日常のストレスも自然と解消されることに気づきました。ゲームもまだまだ好きですし、辞めようとは思いません。とはいえ、家族との時間の方が何倍も価値があると感じているので、今後もしっかりとバランスを意識した生活サイクルを心がけたいと思います」
岡田さんの経験は、多くの男性が直面している夫婦間のレス問題の一つの事例として、非常に示唆に富むものです。趣味や仕事に夢中になるあまり、家庭内の関係を疎かにしてしまうことは、誰にでも起こり得ることかもしれません。
ゲーム依存から抜け出し、奥さまとの関係を修復するまでの道のりは、決して簡単ではありません。しかし、岡田さんは少しずつ歩み寄ることで、再びパートナーとしての絆を取り戻すことができつつあるようです。特に夫婦の性関係に悩む多くの男性にとって、焦らずにコミュニケーションを大切にし、相手との関係を見直すことが、解決への第一歩となるかもしれません。
岡田さんのように、夫婦の絆を再び築くための努力を惜しまないこと、この姿勢が大切なことを改めて感じたインタビューでした。
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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